HTML考

ここでは,私の HTML に対する個人的考察って言うか,「こうしたら,みんながもっと幸せになれるんじゃない?」という事を,独断と偏見に則って書いてみたいと思います.

私が個人的にこう考えているというだけで,これを人に押しつける気はさらさら無いですが,共感,御理解いただけると幸いです.

ウェブページの視聴環境について

まず,今現在インターネットにアクセスしてウェブページを視聴してる方々の視聴環境には,どのような視聴環境があるのかを考えてみましょう.(周りに田園風景が広がって…という話じゃないので念のため.)

PC,ワークステーション等 [視覚的に利用する場合]

この中だけでもいろんなケースが考えられます.例えば,ディスプレイの大きさの相違.例えば15インチ,17インチとか.21インチなんて大きなモノもありますし(もっと大きいのもあるでしょう),それらで設定できる画面の広さも 640x480(いわゆるVGAサイズ)というサイズもあるでしょうし,2048x1536なんていう広大な場合もあるでしょう.

また,色深度もモノクロからフルカラーまで様々,閲覧に使用するソフトウェアも Mozilla (M)Netscape Navigator(N) (以下長いので NN と略)や Internet Explorer (これも長いので IE と略)は有名ですが, それ以外にも Opera (O)Mosaic (C) などの画像なども表示できるウェブブラウザや, Lynx (L)w3m(3) のようにテキストベースのものなど,それはもう様々です.

PC,ワークステーション等 [聴覚・触覚などにより利用する場合]

PC を利用している,また,インターネットへアクセスしているのは目が見える人ばかりではありません.

視覚障碍者の方々は,点字ディスプレイという,機械から突起を出したり引っ込めたりして,それにて点字を表現するものや,音声読み上げソフトや音声読み上げ装置を利用して読んでいらっしゃいます.ここではこういった環境を非視覚的環境と呼ぶことにします.(こころWebからの提案(P)が参考になるでしょう)

上記以外

なにも PC 利用者だけがインターネットを利用しているわけではありません.

最近,いろいろ機器が出て来てますね.PDAなどの端末とか,WebTV とか,ゲーム機とか携帯電話とか….それらの画面の大きさも機器によって様々です.

私の見落としがあるかもしれませんので,上記以外の環境もあるのではないかと思いますが,上記で挙げただけでもウェブに公開された文書は実に様々な環境で利用され,視聴(閲覧…つまり見ることだけじゃなく聞くこともありますのでここでは「視聴」と表現します)されている訳です.

HTMLの仕様

HTMLは 『これは見出し』,『ここからここまでは段落』,『この文言は強調』 などの様に,文書の構造をマークアップするモノで,上記に挙げたような様々な環境で視聴できるような仕様になっています.

HTMLを文書に色をつけたり装飾するためのモノと勘違いしている人がいますが,そうではないのです.

その仕様書はW3C(W)という機関により公開されています.(また,有志の方々により邦訳も公開されています.)

さて,ここからの話の中で使うHTMLという言葉が指すものは HTML 4.01 strict (4) や XHTML1.0 strict (X)XHTML1.1 など,文書の論理的構造と体裁(スタイル,視覚的効果)を分離できるHTMLのこととして読んでください. また, HTML 4.01 の仕様(4)Deprecated(不適切) と位置づけられている要素 (FONTとかSTRIKEなどのいわゆる物理的要素) や 属性を含まないものとして御読みください.

さて,本来HTMLは,どういう環境で視聴するにしても,視聴側の環境に関係なく文書内の情報を読むことができるはずで,その汎用性が HTMLの良いところのはずなのですが (そういう思想で設計されていますし,その思想を反映した仕様になっています),ウェブサイトの多くでは,どうもその思想を尊重していないというのが現状で, NN や IE でしか見られないページが多いと言わざるをえないというのが現状です.

サイトによっては IE でしか見られないページもありますし,その逆も然り.それどころか,そのサイトの制作者は NN,IE以外の視聴環境の存在すら知らないのではないか? と疑ってしまう設計のページに遭遇することもあります.

(それは本当に知らないのか,解っていながら視聴対象を限定しているのかどうかは解りませんが…)

それが「悪」であるかと言えば必ずしもそうとも言えなくて,制作者側(或は公開する側)が視聴対象を制限,規制,或いは対象外を排除するつもりでやっているのであれば,視聴環境に依存したHTMLでも構わんとは思います.

それらは既にHTMLと呼べるモノではない,わけのわからない滅茶苦茶なマークアップの場合が多いですが…….一節によるとそういうマークアップを『とほほマークアップ』とか『不思議マークアップ』と呼ぶようです.酷い呼び方には『へたれマークアップ』とか『腐れマークアップ』という呼び方もあります.いづれも良い印象はありませんねぇ…….

ヴィジュアル的に凝ったページやFlashなどを利用して動きに凝ったページなども,それはそれで目の見える人,或はそれらを表示できる環境の人にとっては楽しいかもしれません.

しかし,サイトで公開している情報いかんによっては,ビジュアルに凝ったり,動きに凝って,視覚的効果を重視するよりも,どういった環境でも問題なくその情報を得られるという事を最重要課題 として HTML 文書を記述しなくてはならないケースが多々あると思われます.

それはどういうケースか?

例えば

などが,そのケースにあてはまると思います.(気がついたモノだけ挙げましたが他にもあるでしょう)

最近,ようやくユニバーサルデザインという言葉が知られるようになってきましたが,残念ながら現状ではユニバーサルデザインを考えたサイトは多くありません.

上記に挙げた,ユニバーサルであるべきと考えられるサイトの多くの現状は,哀しくも以下の通りです.

政府機関のページでまともに仕様に沿って記述されているところは無いに等しい.島根県のサイトを除く

視聴環境によって行政情報などにアクセスしづらいというのはおかしな事ですよね? まあ,先日の東海村臨界事故で聴覚障碍者の方への通報が遅れたことから見ても,もともと情報弱者に対する配慮が欠落しているのでしょう.これは穿ったモノの見方で言っているのではなく,本当にそう思います.(事実,酷いサイトが多い)

ニュース系サイトも同じくまともに仕様に沿って記述されているところは無い.

ニュース系サイトにアクセスする人の多くは,凝ったデザインや派手なデザインが見たいのではなくて,ニュースが読みたいのではないでしょうか? 非視覚的環境を使っている人はまともにそこにあるニュースが読めるでしょうか?

企業のページでも視聴環境に依存したページ設計になっている.

より多くの方々に商品を販売したい,サービスを提供したいという目的,自社や自社製品・サービスの宣伝を目的にウェブサイトを公開してるのだと思われますが,Flash プラグインや JavaScriptが使用できない環境からアクセスすると全く読み進めないサイトが企業のサイトにも多く存在します.

それらは,「視聴環境」という購買層を絞る条件として適切ではない要素を条件として御客様を選んでいる,言い換えれば,配慮の足りないWebサイトを公開していることにより御客様を逃がしている という事になります.

また,派手なだけで中身のない,ハリボテのようなウェブサイトを公開していては,せっかくの商品・サービスの魅力を減少させてしまいます.

企業のウェブページはお客さまをお迎えする玄関とも云えます.社屋ばかりが大きく立派でもあかんのですよ.

個人のページに於ても…

「このホームページは多くの方々に御覧いただきたいです」と書いておきながら,「このホームページは Internet Explorer 4 以上か Netscape Navigator 4 以上で御覧ください」とも書いているサイトも多いですが,これは大きな矛盾です.

「多くの人に見てもらいたい」と言っておきながら,IE や NN でしか見られない様な文書を公開して視聴者を限定 (言い換えれば,IE,NN以外の環境からの視聴を排除) して,「アクセス数あがらない」とぼやくというのは,そのサイト運営者の性格を疑わざるを得ません.

参考資料
  1. 日本XMLユーザーグループ(U)の川俣昌氏が公開されている HTML-LINT RANKING(R)のページ
  2. k16氏が公開されている Another HTML-lint(l) のページ

このサイトのポリシー

私は,このサイトに公開している文書を,視聴環境に関係なくお読み戴きたいと考えています.

その考えを現実に反映するために,文書の構造と装飾を分離しやすい XHTML1.1を文書型に採用して,装飾にCSSを使用しています.

HTML4.01 strict や XHTMLでは,それ以前の HTML3.2にあるような汎用性を損なう物理的要素・属性は非推奨または不適切と位置づけられています.単に「仕様でこうなっているから」というのではなく,何故 仕様ではそのようにしてあるのか? ということを考え,そこに盛り込まれた思想を尊重したいと考えています.

webmaster Shigeyuki Yamashita (@). This server is sickhack.homelinux.org.

LastModified: 2004-02-11T01:02:20+0900